iYagi Lab.

Graduate School of Environmental Science
Hokkaido University

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硝酸/亜酸化窒素還元電極触媒

  • Nitrate Reduction

    Nitrate Reduction

  • APD-Pt@FTO

    APD-Pt@FTO

  • Sequential Reduction of Nitrate to Dinitrogen

    Sequential Reduction of Nitrate to Dinitrogen

  • DEMS measurement during Nitrate Reduction Reaction

    DEMS measurement during Nitrate Reduction Reaction

Member: 馬、鈴木、三好、山本
Field: Electrochemistry Traditional Spectroscopy Surface Science Nanomaterials
Skills: Electrochemistry FTIR XPS XAS&XES XAFS SEM/TEM
硝酸性窒素は日本国内でも調査されている地下水の汚染です。しかし、中性水溶液における還元反応は進行しにくいことが知られており、無害な窒素や工業的に有用な物質への変換が望まれています。また、亜酸化窒素(N2O)は今世紀最大のオゾン層破壊物質であるとともに、温室効果係数がCO2の300倍もあり、大気中濃度が今も増加し続けています。再生可能エネルギーによる無害化が有効です。

北海道のような酪農や農業が盛んな地域では、家畜排泄物や農地における過剰施肥などに由来する硝酸イオンや亜硝酸イオンなどが土壌および地下水に浸透しやすいため、他の地域に比べて地下水の硝酸性窒素汚染が深刻化しやすい傾向にあります。硝酸性窒素によって汚染された地下水はBlue baby syndromeや糖尿病といった健康被害や、一酸化窒素や一酸化二窒素といった生物代謝ガスによる地球温暖化やオゾン層破壊などの環境破壊を引き起こす可能性があります。このような負の連鎖を防ぐために、畜産排水や地下水、工業廃水を適切に処理して硝酸性窒素を除去することが喫緊の課題となっています。前身である嶋津研究室では、PtやPd電極触媒にスズを導入することにより非常に高い硝酸還元活性を確立し、特にSnO2/Pt電極で硝酸イオンから窒素への選択的な触媒反応を見出しました。八木研究室ではその活性を極限まで引き出すため、合金単結晶電極を用いた原子・分子レベルでの構造制御に基づく研究や実用に資するナノ粒子を用いた電極触媒設計へと展開しつつあります。

 ただし、現状ではこの電極触媒反応は酸性水溶液中でしか進行しないため、工業排水中の硝酸還元には利用できるものの、地下水など中性水溶液には応用できません。自然界には硝酸から窒素へと多段階で還元する酵素群が存在しており、中性溶液中でも活性な電極触媒を実現する上で、その反応中心の構造は参考になります。酸素還元反応と同様、硝酸還元でも自然に学ぶ触媒設計に取り組み始めています。

 また、硝酸から窒素への多段階還元反応の最終段階で生成する亜酸化窒素(N2O)が二酸化炭素の310倍以上の温室効果ガスであり、120年程度大気中で安定に存在することから、その蓄積による濃度上昇が懸念されています。また、上層では、N2Oから分解された分子がオゾン層破壊にも寄与することから、N2Oを削減することが求められています。本研究室では亜酸化窒素の電気化学的還元についても研究しています。